2002年11月27日
富士/Bell HU−1B(JG−1551)
(2005年3月8日に防衛庁へ返却)
群馬県 太田市の大光院に展示されていた HU−1B
用廃時には UH−1B に呼称を改められました。



ハンドメイドな看板・・・いいですね!

これによりますと 
太田市市制40周年記念に防衛庁より貸与となってます。
ちゃんと「貸与」と書かれているから えらい        
破損箇所も定期的に修理している様に見えます。     
機首のアンテナは既に無く下面側のガラスもアルミ製??
こうして 形を維持し しかも 塗装は綺麗になっています。
と 言いますのも
樹木のそばに展示されると 大抵 汚れが目に付きます。


外部ホイスト


この51号機は 右側のルーフに取り付けられます。   
ウィンチ支柱はルーフを貫通してフロアーまで伸びてます
限られた機体にのみ装備されたものと思われます。   

一般的には 機体外面に出っ張りは 少ない方が良いの
ですが 当時のウィンチでは 多分その要求性能的に  
この様な形になったもの と 思われます。         

近年のヘリコプターは 機外に固定式のウインチが多い
ですね。                             


 テールローター

御覧の様に 進行方向に付いてます。         

エンジンの前にありますD・C(ダイナミックコンポネント)と
言う大きなギアボックスから 後ろに伸びたドライブシャフト
は尾翼の付け根で42度ギアボックスに繋がります。   
(写真中央の垂直尾翼の付け根 ルーバーの辺り)
そこから テール・フィンと呼ばれる垂直尾翼の中をドライブ
・シャフトが走り 天辺の90度ギアボックスに至ります。 
そこから左に水平に伸びたシャフトに テール・ローターが
取り付いてます。                        

90度ギアボックスのこちら側に付いている弁当箱 の様な
カバーは テールローターの ピッチコントロール用メカが 
入っています。                          

この機体やUH−1Hは、ワイヤーケーブルでラダ-の操作
を伝達しています。                       

このカバーの中には スプロケットが入っていて、それを 
回すとローターのピッチが変わる仕 掛けになってます。 

2本のワイヤーはバーチカルフィン内でチェーンに繋がれ、
そのチェーンがスプロケットに噛合う仕掛けになってます。
(UH−1Jからは ロッドタイプになり、この部分には
ベルクランクが付いてます。)


エレベーター(シンクロナイズド・エレベーター)
ついでに 話してしまうと 手前に写っている思いっきりDN?
になってます水平に突き出た羽がそのエレベーターです。 
204タイプ(HU-1Bや204Bなど)は この完全対称翼断面
をしています。                           
上面にのみ高さ約12ミリの板が立っています。       

 


ドアヒンジと静圧管
BeLL社の このタイプの機体は、
機内ドアの前方に、小さな引き手が付いています。
これは細い銅線で固定されてます。

緊急時は 力任せに引くと、
写真のドアのヒンジピンがスポッと抜けて ドアが外れる仕組みになってます。


また、BeLL社のこのタイプの機首を持つ 機体は静圧管(写真中央下のグレーの丸) が この位置にあります。
ただ、その機種によって 位置や数、整流板などが異なります。

 
 
左から見た姿
古いタイプのジープの様に付いているワイパー

此処の展示 決して環境は良くないですが 
ホント良く形が残っています。
大切にいつまでも 此処にいて欲しい気がします。







メーカー 富士重工/ベル  型式 HU−1B 
登録   JG−41551 
全長 16.12m   ローター直径 13.41m 
エンジン ライカミング T−53L−11B 
     ターボシャフトエンジン 1100hp 
乗員/兵員 2名 /7名 
全備重 3856kg 
備考 
 陸自向けHU−1Bは 昭和37年7月初飛行 
 約90機が陸上自衛隊で使用され、 
 現在は全機リタイヤしています。

  この 51号機は 昭和44年に富士重工宇都宮製作所で生まれ
 昭和63年に 市制40周年を記念して この地に展示されています。

 残念ながら 2005年3月8日に この地を後にしました。


太田市 中島飛行機関連見所


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